Barで私も考えた-Bar On the Road-

夜な夜なBarカウンターの向こう側で繰り広げられているたくさんのドラマ。
楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。

私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。


【未来の話をしよう】

何年か前に某会のくじ引きで1等を引いてダイ〇ンの冷暖扇風機をもらいました。
昨年、たまたまよくお茶を飲みに来てくれるご近所の女子Mちゃんが一人暮らしを始めたとの話から、
ダイ〇ンのまさに私が持っているそれを買おうとしていたので
「ちょっと待って！それ、私持ってるけど使ってないから貸してあげる！
ちなみに、信州の真冬にはまったく役に立たないから。とりあえず使ってみてから買うの考えればいいよ」
ということで。
半年ほど貸しておいたのですが、夏から秋、そして真冬と使ってみて気が済んだのか？
私のところに戻ってきました(笑

お店のカレンダー上はお休みだった月曜日の夜。
昨年付き合い始めた彼氏と二人でダイ〇ンとお茶菓子の手土産を持ってご来店。
初めましての彼氏くんはなかなかの好青年。
ちょっと前にお風呂場で転んで鼻の骨を骨折したMちゃんの痛い武勇伝？を聞きながら、
なにかにつけて面白いMちゃんにここまで付き合える男子は希少種だ・・・なんて思いつつ・・・
意外なところで共通の知り合いがいて話が盛り上がっていました。
二人の雰囲気を見ていたら、なんかまあ、そこそこに妙齢のカップルなのでこの先の心配はなさそうかな、と。
(余計なお世話ですが)

表の看板は消しておいたのですが・・・
シャッターを開けておいたら2人お客さまがいらしたのでドリンクをお出しして少しお話して、
23時ころみなさん帰るということで一緒に降りてシャッターを閉めようかと思って入り口まで行ったら・・・
3人のお客さまが扉の前にいらして
「お願い！1杯だけ！」という酔っぱらいのみなさんの押しに負けてしばしお付合い・・・
(1杯で終わるはずもなく・・・)

どうにかこうにか？渋々？2杯でお納めいただき、
下までお見送りしてシャッターを閉めて。
ダイ〇ンを受け取ったらあと少しで終わる決算書を仕上げるつもりでお店に来たのに・・・
グラスを洗って掃除機をかけて、生ビールサーバーの洗浄をして、
ファンヒーターの灯油を入れてひと段落。
カウンターの椅子に座ってひと息ついて、結局Barで私は妄想していました。

廃業のお知らせをしてから1週間。
8割のお客さまが何か言いたげなお顔をしてご来店され、
私に労いのお言葉をかけてくださり、それぞれが思うBar On the Roadのお話をしてくださいます。
本当に、ありがたいお言葉の数々に救われる日々です。

残りの1割のお客さまは何も知らずにいつも通りご来店されて、
「実は・・・」と私から言い出して
「なんで？」「困る」「やめてどうするの？」という一連の会話になってしまい、
最後は「普通のおばさんになる」ネタで乗り切っています。
何も知らずにあまりにもいつも通りにご来店してくださって言い出せなかった方もいらっしゃいました・・・
すみません。。。
次にお会いできたら絶対言います。

あと1割のお客さまは・・・
まあ、愚痴っぽいことはここではやめておきましょう。

昨晩までにご来店してくださったお客さまの中で、別々に3人の方が同じことを言ってくださって、
そのお言葉がとてもとても心に響きました。
ちょっと泣きそうになってグッとこらえました。
10年間、お店でも街の中でも自分のやりたいことをやりたいようにやらせていただいてきて、
廃業するにあたっても、飲食店が1つなくなるなんて大した話ではないと。
廃業すると決めたときも、10年続けたことを終わりにするということは本当に辛いけど、
お客さまと最後まで笑いながら終わるんだろうなくらいに思っていました。
私が思うBar On the Roadと、お客さまお一人お一人の思うBar On the Roadがあるということを
ここにきて思い知らされました。

少しだけ。
こちらのBlogを読んでくださっているみなさんにだけ、
いまの私の心境と、小情報をお伝えしておきます。
つい先週くらいまでは廃業するということで頭がいっぱいで、この先のことは何も決められない状況でした。
終わりにするためにやることが多すぎて、何も見えない未来を希望に変える方法なんて見当たらなくて。
なんかまあ、とりあえず普通のおばさんになろうと。
それしか考えられませんでした。
そんな最中、毎晩毎晩、大勢のお客さまから、それはそれはもうそれぞれのお言葉で詰められて・・・
なんというか・・・この場所を去ることは決まったことだけど、ちょっと気持ち切り替えて
もうひと頑張りしてもいいんじゃないの？という気持ちになってきてしまいました。。。
私は私のやりたいことを、好きなことを好きなように。
それだけは変わりませんが、この気持ちが変わらないうちに少しずつ動き出してみようかなと。
お休みだったのに結局仕事して疲れて座り込んだ深夜のBarで、
私の心の中にある妄想列車がゆっくりゆっくり出発しました。
ここまで読まれてしまった方はひとまず心の中に収めておいてください。
つづきはまたいつか。