はなむけの一杯を 2018`

1年くらい前から月に数回、
一人で来たり、同僚やお友達と飲みに来てくれていたアメリカ人のお客さまがいらっしゃいました。

外国人のお客さまって案外多い当店。
私、英語はほとんど喋れません・・・
(日本語すらまともに話せているか不安ですが・・・)
オーダーとかどうしているかって?
もちろん、ここは日本ですから。
日本語で話します。
だって、彼らも日本語の勉強もあって来日しているんですから。
たどたどしい英語でコミュニケーション取られるよりも、
日本語で日本流のおもてなしをした方が気持ちが伝わるでしょ。

30代は海外にちょこちょこ行っていた私。
どこの国の言葉も喋れませんでしたが、
どこの国に行っても、その国の言葉で挨拶したり、
わからない言葉を聞き返して何度も何度も発音しているうちに覚えたり、
普通のスーパーに買い物に行って現地で売っている物を買ってみたり、
そんなやりとりの全てが楽しいし、文化に触れることができていい思い出になっています。

話が逸れましたが・・・
冒頭のアメリカ人の常連のお客さまが帰国されるとのことで、
最後に一人で飲みにいらしてくださいました。
スコッチウィスキーが大好きで、特に好きな銘柄があっていつもそれを美味しそうに飲んでいた彼。
初めてご来店されたとき、
その好きな銘柄のスコッチウィスキーをストレートでご注文されたので
キャプテングラスでチェイサーとお通しと一緒にお出ししました。
ゆらゆらと揺れる不安定なグラスを見て、
「ナニコレ?!」
と驚かれたので
「これはね、キャプテングラスよ。キャプテン、船の船長さんで一番偉い人。
船長が船の航行中に飲んでも倒れないグラスだからキャプテングラス」
そのあと炒りたてのピスタチオを食べてまた
「ナニコレ!?アツイ!!オイシイ!」
と言って驚いてました(笑
それからというもの、お友達を連れていらしては好きなお酒を勧めて、
キャプテングラスと炒りたてのピスタチオの説明を必ずしていました。
お客さまが一人だろうと、満席だろうと、居合わせた人とすぐに仲良くなった彼。
当店のことを居合わせたお客さまに
「このお店の雰囲気、お酒の種類、賑やかな感じ。
オンザロードって名前。
アメリカのバーよりアメリカっぽいよ!」
と言っているのが聞こえて、本当に嬉しかったです。

そんな彼との最後の夜。
どこかへ旅立つお客さまに必ずお出ししているはなむけの一杯。


彼にもなにか「はなむけの一杯を」と考えましたが・・・
引っ越しの荷物をこれから詰めて船便で送ると聞いたのでそれならと思い、
キャプテングラスと当店のステッカーと8周年記念に作ったボールペンをプレゼントしました。

アメリカに帰る前に日本の各地にいるお友達の家を渡り歩いて旅するとか。
私があげたあのグラスは今頃アメリカ行きの船のコンテナの中でゆらゆら船旅を楽しんでいることでしょう。
私が行ったことのないアメリカに、Bar On the Roadのグラスとステッカーが先に行くなんてね・・・
帰国して、少し落ち着いたころに船便の荷物が届いたときに彼はあのグラスに何を入れて飲むのかな。
そんな思いを巡らせながら、彼のこの先の人生に幸多かれと祈るばかりです。


  

2018年03月28日 Posted by おんざろーど at 02:17Comments(0)Bar On the road Barと喫茶店で私が考えたこと