Barで私が考えた妄想の日々是好日 No.48
夜な夜なBarカウンターの向こう側で繰り広げられているたくさんのドラマ。
楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。
私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。
【音楽が人生を変えた日】
開店前にあれこれ詰め込んだので時間ギリギリに慌ただしく始まった平日の夜。
シャッターを開けて見渡したときに、
お店から見える範囲の街の雰囲気が静まり返っていたので今夜は静かな夜になるかな・・・
なんて思いながら階段を上がってしばらくしたら常連のお客さまがご来店。
忌野清志郎さん好きのお客さまなのでしばし清志郎さん談義。
そこへ仕事帰りの常連さんがご来店。
お二人ともノンアルコールですが、
こんな夜は誰かがいてくれるだけでなんだか安心するんですよね。
そうこうしていたら、常連の幼なじみのクイーンオブ酒豪と、その上司がご来店。
こちらの上司も生粋の忌野清志郎さんファン!
ということで、先にいらしていたお客さまのお隣のお席に誘導して、再び清志郎談義(笑
上司「ちなみになんだけど、どこから清志郎さんを好きになったの?」
ファン同士の質問あるあるその1ですね。
その2以降の流れとしては、
「どの曲が好き?」
「最初に買ったアルバムなに?」
「最初に観たライブはどれ?」
「ところで何歳?」
でしょうか。。。
とても印象的だったのは、上司がどうしてRCサクセションを知ったのか?というお話。
上司「俺が高校1年生の時にね、お昼休みに購買でパンを買って友達と食べてたらさ、
校内放送で流れてきたのが雨上がりの夜空にだったんだよね。
放送部のお姉さんが、今東京で流行っている曲だそうです、
RCサクセション、スターリン、アナーキー、みなさん知ってますか?
なんて言ってさ。お昼休みにコロッケパン食べながら聞いて度肝をぬかれちゃったんだよね~」
私「すご~い!それがきっかけでそれからずっとファンなんですか?
というか、その放送部の人、その当時音源持ってたってことですよね?それもすごい」
上司「いや、それがさ。
それから15年後くらいに俺が結婚して最初に住んだ市営住宅のお向かいに住んでた人がさ、
高校の先輩だってわけよ。
で、俺がね、たまたま当時放送部の放送を聞いて以来RCサクセションが好きになったって話をしたらさ、
なんと!そのお向かいの奥さんがその放送部で当時喋ってた人で!
あ~、あの曲流したの私よ~なんて言ってさ!もうびっくりよ!」
私「・・・・・マジか・・・・・なにその劇的でドラマティックなお話・・・・・。
音楽で上司の人生を変えた人との再会?なにそれー!」
上司「そう!放送部の、彼女がさ。たまたま住んだ家の前に住んでて。
16歳の、コロッケパンが買えて喜んで食べてたサエない俺の人生を変えた人だったんだよ」
私「なんていい話!!!
人生を変えた音楽との出会い、からの、その音楽を教えてくれた人と大人になってから出会えるなんて。
音楽の力っていろいろすごいですね」
その後も延々と清志郎さんにまつわるお話から、各方面の音楽話に花が咲いてしばし音楽談義。
清志郎さん好きのお客さまがたまたま居合わせてたくさんお話できたことと、
クイーンオブ酒豪がべろんべろんに酔っ払っていたので珍しく?
生ビールが1杯飲み切れなかったことがこの夜のハイライトでした。
仕事が終わってから、
お客さまからいただいた、清志郎さんの似顔絵とラフィータフィーと書かれた麻袋と、
ステッカーを並べて写真撮ったりなんかして。
ステッカーは早速チップ箱に貼りました。
(お客さまにお願いして加工して貯金箱にしてもらった柿の種の缶)
*チップ箱は、釣り銭を、
オンザ基金やしりふぇすの協賛金にと置いて行くお客さまがいらっしゃるので2年ほど前から置いている貯金箱です
平日らしく、穏やかでいつも通りいい夜が終わり、カウンターの椅子に座ってコーヒーを飲みながら、
深夜のBarで私は妄想していました。
音楽が人生を変えた。
人生を変える音楽と出会った。
その「音楽」との出会いが、その後の人生にどう影響したのか。
コロッケパンが買えて喜んで食べていたサエない少年が、それから約40年後に、
塩尻のBarカウンターで初めて会った人と好きな音楽の話をしていることも。
仕事や用事で東京に行くときに中央高速で日野を通過したあたりで決まった曲が頭の中に流れるんだよね。
あ~、この辺で清志郎さんが生まれ育ったのかな~とか、景色を見ながらいろいろ思い浮かんだりしてさ。
始発電車に乗って高尾山駅まで行って、毎年お墓参りに行くんだよ。
そんな話しをしてくれることも。
すべては音楽が繋げてくれたご縁から始まっているんだな、と。
1年のうち、お店の休みが70日(2年前までは50日とかだった)、
残りの295日のうち35日がライブだとすると260日が通常営業。
今でも月に平均3日くらいノーゲスで終わる日もあるけど、まぁお客さまありきの水商売だし仕方ない。
通常営業で得た利益やお客さまから頂いたチップをコツコツ貯めて、
音響機材を買ったりしりふぇすの事業資金にあてています。
一昨年、開店当初から使っていたPAが老朽化でスピーカーから異音がし始めたのでPAを新調しました。
去年は防音設備を作って、セミドラムセットを購入して、今年はギターアンプを購入。
年間でライブをやってる日より通常営業してる日の方が多いけど、私としてはどちらも大切な夜。
ライブを開催するために頑張ってお酒を売って通常営業をして、
そこで得た利益で音響設備を整えたり機材を買って。
ライブは基本日曜日開催なのにも関わらず、大勢のお客さまが観に来てくださったり、
遠方から塩尻市に演奏しに来てもらったりと、年間約35日のライブ開催ですが、
どの夜にも救われてばかりです。
過去に機材がショボいと言われたり、音響機材のことで難癖つけられて心が痛い夜もあったけど、
音楽が好きな人に出会えるこんな夜があって、そんないい夜の積み重ねでどうでもよくなっちゃうんですよね。
今年はしりふぇす2019`の開催も決まり、また気忙しい日々が始まります。
慌ただしく始まった平日の、ちょっとだけ、心がザワついていた夜に。
愛してやまない音楽が、私の心を整えてくれました。

楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。
私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。
2015/10/11
【音楽が人生を変えた日】
開店前にあれこれ詰め込んだので時間ギリギリに慌ただしく始まった平日の夜。
シャッターを開けて見渡したときに、
お店から見える範囲の街の雰囲気が静まり返っていたので今夜は静かな夜になるかな・・・
なんて思いながら階段を上がってしばらくしたら常連のお客さまがご来店。
忌野清志郎さん好きのお客さまなのでしばし清志郎さん談義。
そこへ仕事帰りの常連さんがご来店。
お二人ともノンアルコールですが、
こんな夜は誰かがいてくれるだけでなんだか安心するんですよね。
そうこうしていたら、常連の幼なじみのクイーンオブ酒豪と、その上司がご来店。
こちらの上司も生粋の忌野清志郎さんファン!
ということで、先にいらしていたお客さまのお隣のお席に誘導して、再び清志郎談義(笑
上司「ちなみになんだけど、どこから清志郎さんを好きになったの?」
ファン同士の質問あるあるその1ですね。
その2以降の流れとしては、
「どの曲が好き?」
「最初に買ったアルバムなに?」
「最初に観たライブはどれ?」
「ところで何歳?」
でしょうか。。。
とても印象的だったのは、上司がどうしてRCサクセションを知ったのか?というお話。
上司「俺が高校1年生の時にね、お昼休みに購買でパンを買って友達と食べてたらさ、
校内放送で流れてきたのが雨上がりの夜空にだったんだよね。
放送部のお姉さんが、今東京で流行っている曲だそうです、
RCサクセション、スターリン、アナーキー、みなさん知ってますか?
なんて言ってさ。お昼休みにコロッケパン食べながら聞いて度肝をぬかれちゃったんだよね~」
私「すご~い!それがきっかけでそれからずっとファンなんですか?
というか、その放送部の人、その当時音源持ってたってことですよね?それもすごい」
上司「いや、それがさ。
それから15年後くらいに俺が結婚して最初に住んだ市営住宅のお向かいに住んでた人がさ、
高校の先輩だってわけよ。
で、俺がね、たまたま当時放送部の放送を聞いて以来RCサクセションが好きになったって話をしたらさ、
なんと!そのお向かいの奥さんがその放送部で当時喋ってた人で!
あ~、あの曲流したの私よ~なんて言ってさ!もうびっくりよ!」
私「・・・・・マジか・・・・・なにその劇的でドラマティックなお話・・・・・。
音楽で上司の人生を変えた人との再会?なにそれー!」
上司「そう!放送部の、彼女がさ。たまたま住んだ家の前に住んでて。
16歳の、コロッケパンが買えて喜んで食べてたサエない俺の人生を変えた人だったんだよ」
私「なんていい話!!!
人生を変えた音楽との出会い、からの、その音楽を教えてくれた人と大人になってから出会えるなんて。
音楽の力っていろいろすごいですね」
その後も延々と清志郎さんにまつわるお話から、各方面の音楽話に花が咲いてしばし音楽談義。
清志郎さん好きのお客さまがたまたま居合わせてたくさんお話できたことと、
クイーンオブ酒豪がべろんべろんに酔っ払っていたので珍しく?
生ビールが1杯飲み切れなかったことがこの夜のハイライトでした。
仕事が終わってから、
お客さまからいただいた、清志郎さんの似顔絵とラフィータフィーと書かれた麻袋と、
ステッカーを並べて写真撮ったりなんかして。
ステッカーは早速チップ箱に貼りました。
(お客さまにお願いして加工して貯金箱にしてもらった柿の種の缶)
*チップ箱は、釣り銭を、
オンザ基金やしりふぇすの協賛金にと置いて行くお客さまがいらっしゃるので2年ほど前から置いている貯金箱です
平日らしく、穏やかでいつも通りいい夜が終わり、カウンターの椅子に座ってコーヒーを飲みながら、
深夜のBarで私は妄想していました。
音楽が人生を変えた。
人生を変える音楽と出会った。
その「音楽」との出会いが、その後の人生にどう影響したのか。
コロッケパンが買えて喜んで食べていたサエない少年が、それから約40年後に、
塩尻のBarカウンターで初めて会った人と好きな音楽の話をしていることも。
仕事や用事で東京に行くときに中央高速で日野を通過したあたりで決まった曲が頭の中に流れるんだよね。
あ~、この辺で清志郎さんが生まれ育ったのかな~とか、景色を見ながらいろいろ思い浮かんだりしてさ。
始発電車に乗って高尾山駅まで行って、毎年お墓参りに行くんだよ。
そんな話しをしてくれることも。
すべては音楽が繋げてくれたご縁から始まっているんだな、と。
1年のうち、お店の休みが70日(2年前までは50日とかだった)、
残りの295日のうち35日がライブだとすると260日が通常営業。
今でも月に平均3日くらいノーゲスで終わる日もあるけど、まぁお客さまありきの水商売だし仕方ない。
通常営業で得た利益やお客さまから頂いたチップをコツコツ貯めて、
音響機材を買ったりしりふぇすの事業資金にあてています。
一昨年、開店当初から使っていたPAが老朽化でスピーカーから異音がし始めたのでPAを新調しました。
去年は防音設備を作って、セミドラムセットを購入して、今年はギターアンプを購入。
年間でライブをやってる日より通常営業してる日の方が多いけど、私としてはどちらも大切な夜。
ライブを開催するために頑張ってお酒を売って通常営業をして、
そこで得た利益で音響設備を整えたり機材を買って。
ライブは基本日曜日開催なのにも関わらず、大勢のお客さまが観に来てくださったり、
遠方から塩尻市に演奏しに来てもらったりと、年間約35日のライブ開催ですが、
どの夜にも救われてばかりです。
過去に機材がショボいと言われたり、音響機材のことで難癖つけられて心が痛い夜もあったけど、
音楽が好きな人に出会えるこんな夜があって、そんないい夜の積み重ねでどうでもよくなっちゃうんですよね。
今年はしりふぇす2019`の開催も決まり、また気忙しい日々が始まります。
慌ただしく始まった平日の、ちょっとだけ、心がザワついていた夜に。
愛してやまない音楽が、私の心を整えてくれました。
