Barで私が考えた妄想の日々是好日 No.25
夜な夜なBarカウンターの向こう側で繰り広げられているたくさんのドラマ。
楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。
私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。
【ありがとうございました】
ある日の夕方、
常連のお客さまから携帯電話に連絡があって
「今夜、会社の全体会議があってそのあと20人くらいで行くから。
貸し切りにしといてくれ」
とのご予約。
1次会の会場でアクシデントがあったとのことで、
予定より少し遅くなったものの22名さまでご来店いただきました。
年に2回の会議のあとにお使いいただいているこちらのみなさま。
4～5年前は若手だったみなさんがいつのまにか役職がついていたり、
新しい若手の方が入っていたりして。
そんな顔ぶれを見るのも楽しい時間です。
顔なじみの若手に声をかけて
「ねえ、いま誰が一番下っ端なのー？」
と聞いたら即座に
「ママ、俺もまだまだ下っ端っすよ！飲み物運ぶんでじゃんじゃん渡してください！」
22人のオーダーを聞いて一気に22杯のドリンクをお出しして、
乾杯していただくまで約10分。
若手のイキのいい男の子たちが10人くらい手伝ってくれました(笑
忘新年会や、歓送迎会、
接待などの二次会でご利用していただいている企業が何社かあります。
7年間の営業の中で、
初めてご来店いただいたときは営業の下っ端のペーペーだった人が、
課長だの部長だのになっていたり。
副なんちゃらとか、なんちゃら代理みたいな役職だった方が、
なんとか長って一番偉い人になっていたり。
転勤で来た方や、県外へ引っ越ししてしまった方も大勢いらっしゃいました。
営業職をされている方で、
「この人できる人だろうなぁ・・・」
と思う方が何人かいらっしゃいます。
お酒を飲んでいる席でも、
何かにつけてマメで気配りや気遣いが出来る人。
居合わせた人の様子を見ながらその場の空気を読み取る盛り上げ上手。
お席の確保をされるためにご来店前に必ず電話で確認される方、
お酒の注文や、帰りの車の手配、
私への気遣いまで。。。
それでいて、お酒も好きでBarでの嗜みもスマート。
冒頭の団体さまの一番偉い方はまさしくそんな方です。
その一番偉い方が宴会の途中で私のところにいらして
「おいママ。
俺がカラオケを指名した順番、わかったか？」
私「毎年見てるからさすがにわかりますよー」
どんな席でも臆さずに前に出れる人。
盛り上げるのが上手い人。
それをさらに盛り上げる人。
どうしても前に出れない人。
盛り上がっていてもノレない人。
その横でさらに静かに見ている人。
その夜、
お会計を済ませて一番偉い方が先に帰られた後、
こちらがお願いしたわけでもないのに残った方たちが一斉にグラスやゴミを運んでくれたので
カウンターの中から動かずにみなさんの機敏な動きを恐縮しながら見ていました。。。
あっけなく片付けも済んだ帰り際、若手の男の子が他の人に向って
「おーい、ママにお世話になったから全員で号令していこう！」
という一声で
「おー！！」
といってスーツを着た男性20人がカウンターの向こう側に突然整列し始めました。
なんだなんだ？と思って私も身構えた瞬間・・・
「ママに号令！
ありがとうございましたー！！！」
男性20人が、一斉に大声を出して、私に向って頭を下げたんです。
本当に、ビクッとなって体が振動しました。
圧倒、圧巻でした。
この会社の社長の大きさはこの人たちにちゃんと伝わっているんだなと。
そんないろいろな人間模様を見ながら、
今夜も、Barで私は妄想していました。
夕方、ご予約のお電話をいただいた常連のお客さまは
その夜ご来店いただいた団体さまの一番偉い方。
この前の週に、
街の大きな会の会場でお会いして久しぶりにお話しさせていただいたばかり。
その際に私が、
「ここ2～3年前から景気が悪くて、そろそろ潔くやめようと思っているんですよねー」
なんて話をしたら、大勢人がいたので笑い話で終わりました。
この日の夕方、ご予約のお電話をいただいた話の最後に
「おい、ママ。
そういえばお前この前やめるとかなんとか言ってたけど、
店やめるとか言うなよ！
ママみたいな女もああいう店も、塩尻には必要なんだぞ！」
こんこんと、それでいてさらりと言い放って、
「じゃーな、今夜よろしくなー！」
そう言って電話を切られました。
私はそんな女じゃないよと笑って言いたかったのに、
言葉の力が強すぎて、声が出なくて。
泣きそうになるのを堪えていました。
ありがとうございます。
この言葉一つで表現するには足りないけれど、
この言葉しか思い浮かびません。
街に戻ってきてから、ずっとずっと、
いや、きっとこれからここにいる限り
「ありがとうございます」
この言葉を心の中で育てながら、
夜な夜なBarで考え続ける日々になりそうです。
楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。
私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。
2015/10/11
【ありがとうございました】
ある日の夕方、
常連のお客さまから携帯電話に連絡があって
「今夜、会社の全体会議があってそのあと20人くらいで行くから。
貸し切りにしといてくれ」
とのご予約。
1次会の会場でアクシデントがあったとのことで、
予定より少し遅くなったものの22名さまでご来店いただきました。
年に2回の会議のあとにお使いいただいているこちらのみなさま。
4～5年前は若手だったみなさんがいつのまにか役職がついていたり、
新しい若手の方が入っていたりして。
そんな顔ぶれを見るのも楽しい時間です。
顔なじみの若手に声をかけて
「ねえ、いま誰が一番下っ端なのー？」
と聞いたら即座に
「ママ、俺もまだまだ下っ端っすよ！飲み物運ぶんでじゃんじゃん渡してください！」
22人のオーダーを聞いて一気に22杯のドリンクをお出しして、
乾杯していただくまで約10分。
若手のイキのいい男の子たちが10人くらい手伝ってくれました(笑
忘新年会や、歓送迎会、
接待などの二次会でご利用していただいている企業が何社かあります。
7年間の営業の中で、
初めてご来店いただいたときは営業の下っ端のペーペーだった人が、
課長だの部長だのになっていたり。
副なんちゃらとか、なんちゃら代理みたいな役職だった方が、
なんとか長って一番偉い人になっていたり。
転勤で来た方や、県外へ引っ越ししてしまった方も大勢いらっしゃいました。
営業職をされている方で、
「この人できる人だろうなぁ・・・」
と思う方が何人かいらっしゃいます。
お酒を飲んでいる席でも、
何かにつけてマメで気配りや気遣いが出来る人。
居合わせた人の様子を見ながらその場の空気を読み取る盛り上げ上手。
お席の確保をされるためにご来店前に必ず電話で確認される方、
お酒の注文や、帰りの車の手配、
私への気遣いまで。。。
それでいて、お酒も好きでBarでの嗜みもスマート。
冒頭の団体さまの一番偉い方はまさしくそんな方です。
その一番偉い方が宴会の途中で私のところにいらして
「おいママ。
俺がカラオケを指名した順番、わかったか？」
私「毎年見てるからさすがにわかりますよー」
どんな席でも臆さずに前に出れる人。
盛り上げるのが上手い人。
それをさらに盛り上げる人。
どうしても前に出れない人。
盛り上がっていてもノレない人。
その横でさらに静かに見ている人。
その夜、
お会計を済ませて一番偉い方が先に帰られた後、
こちらがお願いしたわけでもないのに残った方たちが一斉にグラスやゴミを運んでくれたので
カウンターの中から動かずにみなさんの機敏な動きを恐縮しながら見ていました。。。
あっけなく片付けも済んだ帰り際、若手の男の子が他の人に向って
「おーい、ママにお世話になったから全員で号令していこう！」
という一声で
「おー！！」
といってスーツを着た男性20人がカウンターの向こう側に突然整列し始めました。
なんだなんだ？と思って私も身構えた瞬間・・・
「ママに号令！
ありがとうございましたー！！！」
男性20人が、一斉に大声を出して、私に向って頭を下げたんです。
本当に、ビクッとなって体が振動しました。
圧倒、圧巻でした。
この会社の社長の大きさはこの人たちにちゃんと伝わっているんだなと。
そんないろいろな人間模様を見ながら、
今夜も、Barで私は妄想していました。
夕方、ご予約のお電話をいただいた常連のお客さまは
その夜ご来店いただいた団体さまの一番偉い方。
この前の週に、
街の大きな会の会場でお会いして久しぶりにお話しさせていただいたばかり。
その際に私が、
「ここ2～3年前から景気が悪くて、そろそろ潔くやめようと思っているんですよねー」
なんて話をしたら、大勢人がいたので笑い話で終わりました。
この日の夕方、ご予約のお電話をいただいた話の最後に
「おい、ママ。
そういえばお前この前やめるとかなんとか言ってたけど、
店やめるとか言うなよ！
ママみたいな女もああいう店も、塩尻には必要なんだぞ！」
こんこんと、それでいてさらりと言い放って、
「じゃーな、今夜よろしくなー！」
そう言って電話を切られました。
私はそんな女じゃないよと笑って言いたかったのに、
言葉の力が強すぎて、声が出なくて。
泣きそうになるのを堪えていました。
ありがとうございます。
この言葉一つで表現するには足りないけれど、
この言葉しか思い浮かびません。
街に戻ってきてから、ずっとずっと、
いや、きっとこれからここにいる限り
「ありがとうございます」
この言葉を心の中で育てながら、
夜な夜なBarで考え続ける日々になりそうです。
