Barで私が考えた妄想の日々是好日 No.33

夜な夜なBarカウンターの向こう側で繰り広げられているたくさんのドラマ。
楽しいこともあれば、悲しいこと、辛いこと、びっくりすることなど。
本当に、毎晩オムニバス映画を見ているかのような日々。

私だけが見ている私だけの物語。
それをありのままに書くとプライバシーの問題があるので、
私の主観で、私が夜な夜な見ている出来事のその先を、
「妄想」に変えてつぶやいていこうかな・・・
なんて出来心から始まった、あくまでも妄想のオハナシです。。。


【絶対の愛情】

お店で法人賛助になっている某団体の新年祝賀会に行ってきました。
2010年の開業から8年。
某団体には開業当初からご来店いただいていたので、
歴代8人の一番偉い人を見てきたことになります。
そんなご縁の深い某団体の賛助会員になって3年目。
日頃からお世話になっているみなさんの活動内容や、
新年度スタートの様子を見てみようかなと思い立って・・・
初めて新年祝賀会に行ってみました。

街の一番偉い方を始めとするそうそうたる出席者の中始まった某団体の新年祝賀会。
今年の一番偉い人の(ちょっと長い)決意表明みたいな挨拶、
街の偉い人の新年の祝辞とか、祝辞とか、祝辞とか・・・
小一時間有難いお話を聴いて乾杯。
会場内は顔見知りの方(お客さま)が大勢いらっしゃったのであまりウロウロしないで
開店時間前に会場を後にしてお店に入って開店。

その後少しして、某団体の大先輩にあたる方が一人二人といらしてくださって、
落ち着いてお酒を飲んだりおしゃべりしたり。
土曜日の夜だったので、少しづつお客さまも出入りしていた22:00ころ。
某団体の若い男の子から、これからお店に行きたいとの電話。
うちのお店なんかよりも古くから懇意にしているお店が他にもあるので、
まずはそっちに行きなさいと言って電話を切りましたがその後も3~4回しつこく電話がきて・・・
最終的に私の携帯電話に別の子から連絡が来て、断るに断れず・・・

こうなるとどうなるのか?
営業8年の経験からすぐに店頭看板に
「ただいま満席となっております。本当です」
と走り書きして階段下に持って降りたら道向こうから大騒ぎして近づいてくる団体が・・・
そうこうしているうちにわーっと20人近い団体がなだれこんできて、
あっという間に店内大騒ぎとなりました。

こうなったときの店内は、まるで戦場かのような、
サファリパークの動物が一か所にまとまっちゃったみたいな?
人の声で人の声が聞こえない、混沌とした光景です。

グラスが割れる音がしたり、
なにかを落としてこぼしたようなざわめき、
店内の方々で明らかに何かが起こっているんですがそうそう私も持ち場を離れていられない。
そんな時は必ず使えるフットワークの軽いマメな男の子が2~3人いるものでして、
カウンターでドリンクを作っている私のところに来て
「ママ、床拭くからモップちょうだい」
「グラス割れちゃったんで箒とちり取りください」
「ママっ!バケツ!あいつ吐きそうだからバケツ!」
「捨ててもいい雑巾ください」
そう言ってカウンターの中の流しで雑巾やモップを絞って行ったり来たり。。。

何度目かの何かが割れる音やザワザワとひとしきり騒がしかった後、
一人の男の子が
「ママー!どうしよう、〇〇さんがテーブル壊しちゃった。ちょっと見てよ」
私のところに来て困ったような顔をして言ったのでフロアに出てみると、
酔っ払った〇〇くんが何かの拍子に(事情は言えませんが)テーブルにダイブしたとかで、
フロアの木製の折り畳みテーブルの脚がポッキリ折れて転がっていました・・・
割れたグラスや何かしらがこぼれた床はマメな男子たちが片づけてくれてあったのですが、
まさかテーブルの脚が折れるとは。

今日までの営業で、グラスが割れたり備品を壊されたりしてもお客さまに
弁償をしてもらうことはしてこなかった当店。
なんとなく、これは壊した人たちが後々面倒なことになるんじゃないかな?
とフッと思いついて・・・
テーブルとか割れたグラスが片付いた後、
店内に25人位いらしたお客さまに向かって大声で
私「ちょっと全員聞いてー!あ、〇〇君5千円出して」
〇〇君「はいっ」
私「はい、ありがとう。これで新しいテーブル買いまーす!みんないい?示談せいりーつ!」
店内拍手喝采で満場一致にて示談成立。

次の日、お客さまが片付けてくださってそのまま宴会が続いていて、
しっかり片付けをしないで帰ったのでまずは掃除をしなくちゃと早くお店に入って・・・
モップを持ちながら、静まり返ったBarで私は前の晩の出来事を回想しながら妄想しました。

フロアのテーブルの脚は折れてたし、
その弾みでテーブルの上のグラスは全部割れてたし、
カウンターに大量リバースされたり、
フロアに色々こぼれてたり。
あー、あんなことやこんなことがあったなぁ・・・
でもなんだろ。
あれはよそのお店でやっちゃダメだよね。
いや、だからってうちのお店だから何やっても許されるってワケじゃないんだけど。
なんというか、私なりに親心みたいな感情が発動してるのかな?
自分の娘たちが反抗期だったころの気持ちに似ているんです。
例えば、あからさまな不機嫌な態度をぶつけられたリ、
私に当たり散らしたり、
良かれと思ってしたことも否定されたり。
それは親に対してだからできることなのかなと。
例えばお友達や恋人、大人になって結婚したら旦那さんや奥さんに。
他人にやったらダメなこと。
それを許せるのは揺るぎない絶対の愛情なんじゃないかなと。
或る意味、うちのお店でどれだけ暴れてもいいんです。
その姿を私に見せられているうちはまだ大丈夫。
そういう存在(場所)があってもいいんじゃないかなと。

きっと彼らも、家に帰れば奥さまにしか見せない姿や目をして、
奥さまからたくさんの絶対の愛情を受けていることでしょう。

そんなわけで、
開店当初はフロアにガラステーブルが2台置かれていたのですが、
酔っ払ってテーブルの角に足をぶつけて怪我人が続出して不評だった為、
2013年に買い替えた折りたたみテーブル。
同商品がなかったので似たような大きさで選んだ新テーブル。
色が違う、軽くなった、お値段が倍になってたということで。
そんな出来事もすでにぼやけてきたくらいに、私にとってはいつもの夜でした。
  

2018年01月24日 Posted by おんざろーど at 04:46Comments(0)Bar On the road つぶやきBarと喫茶店で私が考えたこと